ブータンには独特の文化が根付いていて、他の国とは違った魅力の旅行が楽しめます。ブータンへの旅行の仕方、目的によってベストシーズンが違うみたいですので調べてみました!
ブータンは仏教国ですし、比較的安心して旅行できる国です。しかし、外務省では危険地域を指定していますので治安や観光の注意事項をチェックしてみましょう!
ブータンへの旅行の仕組みは?観光や目的で選ぶベストシーズン!
ブータンは「幸せの国」と呼ばれています。ブータン王国(通称ブータン)は南アジアの国家で、北は中国、南はインドに隣接しています。長年の「鎖国政策」によって独自の文化を守ってきた国。
ブータンは、国の発展具合をはかるGDP(国内総生産)ではなく、GHH(Gross National Happiness)という国民総幸福量をはかることを採用しています。
担当者が5年ごとに各家庭を個別訪問し、アンケートを取った結果で国民の幸福度をはかっていることが、ブータンが「幸せの国」と呼ばれる由縁になりました。
- 国名・・・ブータン王国
- 首都・・・ティンブー
- 時差・・・-3時間
- 通貨・・・Nu(ニュルタム、ヌルタム)、インドルピーも使用可、一部アメリカドルが使えるお店もあり
- 言葉・・・ゾンカ(公用語)の他学校教育で使われている英語、ネパール語、ヒンドゥー語、ブータン各地の方言
- 宗教(国教)・・・チベット仏教のカギュ派のドゥク派
ブータンへの入国方法
残念なことに、日本からブータンへの直行便はないんです。ブータンへ入国するには、タイ、インド、バングラデシュ、ネパール、シンガポールのいずれかでのトランジット(乗り継ぎ)が必要です。
ブータンへの入国は、ブータン唯一の国営航空会社Drukair(ドゥルックエア)ロイヤルブータン航空を利用します。入国に必要な観光ビザ、フライト、宿泊先、ガイド、ドライバーを全部まとめて、ブータン旅行の手配資格を持つ旅行会社に手配してもらいましょう。
ブータンの旅行システムって?
ブータンは独自の文化を守るため、旅行システムも独特なものになっています。旅行者はブータン政府観光局に「公定料金」を納める必要があります。
「公定料金」はシーズンや人数によって変わりますが1日当たり200ドル~290ドルです。この公定料金制度を前提とした旅行会社のツアーに参加するという形をとらないと、ビザを取得できませんので注意してください。
この「公定料金」にホテル、3食の食事、ガイド、ドライバー、ゾン(お寺、県庁)の入場料などが含まれています。1グループにつき1人のガイドとドライバーが付いています。
ガイドとドライバーの案内で観光することになります。寝るとき以外はガイドさんと行動を共にするので、すごく仲良くなれそうですね!
通訳ができるガイドさんなら、地元の人たちとコミュニケーションや交渉もスムーズです。「農家泊」という現地の農家に宿泊することが意外と一般的で、酪農家でのホームステイも可能。現地での生活を楽しんでしまいましょう。
ブータンは国内の長距離移動は事前に許可が必要で、県境などにある検問所を通過するには、身分証明書と通行許可証が必要になります。
このため、ブータンへ入国する前のビザ申請時に、行きたい所ややりたいことなどの希望を伝えておく必要があります。
ビザ申請時に決めた旅行の計画に沿った通行許可証が発行されますが、発行の事務処理に1~2週間かかります。
何も希望がなければ旅行会社のモデルプランになります。通行許可証を発行したのにその場所に行かなかったとしても問題はないので、特別な体験がしたいなら、事前に旅行会社と相談しておきましょう。
ブータンの旅行費用
「公定料金」に旅行に関する費用のほとんどが含まれています。現地での支払いで必要なのは、お土産や嗜好品の購入やチップや寺院でのお賽銭くらいです。
日本での両替は出来ませんが、日本円やアメリカドルをブータンの空港や銀行でブータン通貨に両替することが出来ます。
ブータンにはホテル、レストラン、タクシーへのチップの習慣がないのですが、ガイドやドライバーに対するチップは一般化しているそう。最終日にまとめて現金を渡す旅行者が多いのだそうです。
ガイドやドライバーへのチップの金額は、滞在日数×100~200Nu(ニュルタム、ヌルタム)を目安にしましょう。為替にもよりますが1Nu =約1.7円です。
ブータン旅行、ベストシーズン
ブータンは日本と同じく四季がある国です。熱帯モンスーン地域に属しているブータンの国土は、標高2000~7000m以上のエリアに広がっています。
四季があると言っても、大きく分けて6~8月が雨季、9~5月が乾季です。気温は標高によって大きく違ってきます。朝晩の寒暖の差も激しいので、標高の高い地域を訪れる予定のある場合は防寒具が必須です。
ブータン旅行のベストシーズンは乾季の時期で、最も多くの観光者が訪れます。四季ごとにお勧めしたいイベントを紹介!
春(3~5月)
暑すぎず、寒すぎず、観光にぴったりなベストシーズンです。ブータン最大のお祭り「パロ・ツェチュ祭」がこの記事に開催されます。
ピンクや赤などのシャクナゲや春の花が咲き乱れて、古き良き日本の風景のよう。ブータンに米作りをもたらしたのが日本人なので懐かしい景色に感じるのかも知れませんね。
初めてのブータン旅行なら機構が良い乾季、春がベストシーズンだと思います。
夏(6~8月)
雨季に当たりますが、雨はほとんど降りません。料金もオフシーズン価格。安価に旅をしたいならこの記事がお勧めです。
午後から夜間にかけてどっと雨が降る場合がありますので雨具は用意しておきましょう。
7月頃は高地でブルーポピーなどの高山植物が見ごろ。ブルタン地方ではピンクのソバの花も楽しめます。中央ブータンのモンガルで蛍が見られるのはこの時期です。
秋(9~10月)
晴天が多く、美しい季節。ブータンの各地でお祭りがあり、世界中からの旅行者が一番多いのがこのシーズンです。
松茸が有名なブータンでは、安い値段で松茸料理を楽しめます。干しマツタケもお土産に人気。
トレッキングにもベストな気候です。米やソバの収穫もこの時期。ブータンの美味しいものが食べたいなら秋の旅行もいいですね!
冬(12~2月)
冬のヒマラヤ展望にはベストシーズン。乾季で空気が澄んでいます。冬場になるとブータンの人々が集まる温泉がブータン県のガサにあります。
温泉へは車では行けませんので、ガサ・ゾン(ガサの県庁)から徒歩で約1時間。男女混浴のため入浴時は水着着用、または女性は布を巻き、男性は下着で入浴します。
旅行の予約が取れやすいのがこの時期なのですが、寒いので初めてのブータン旅行には暖かい時期がいいかも。
外務省が指定しているブータンの危険地域は?治安や観光の注意事項も確認しよう!
外務省のホームページでは、ブータン南部のインド北東部との国境付近では危険度数が十分注意する程度となっています。地図の黄色い部分は治安のよくない地域です。
インド側過激派の活動の影響があり、情勢が悪化する可能性があると、外務省は伝えています。身代金目的で誘拐が発生する恐れがあるので、目立たないようにと外務省が注意を促しています。
ただ、ブータンの国民ではなく、治安がよくないとされているのは、国境付近。過激派を刺激しないようにしていたら、外務省のいうような危険にさらされないと思います。
ブータン旅行、注意事項
ブータンでは宗教上の理由から、神聖とされる寺院は立ち入り規制区域がありますので注意が必要です。
女人禁制の場所がありますので女性は特に注意してください、写真やビデオ撮影は必ずガイドに確認するようにしてください。
- 「ゾン」・・・僧院、または行政を行う県庁の役割。戦争があった時代は城塞として機能。
- 「ラカン」、「ゴンパ」・・・寺院のこと。仏教史跡めぐりに注目すべきラカンやゴンパはたくさんあります。
下の写真は「タクツァン僧院」チベット仏教の聖地です。
ブータンは世界でも珍しい禁煙国家です。ホテルの部屋などではタバコを吸うことは許されていますが、公共の場での喫煙は禁止。タバコの持ち込みも制限されていて、高額の税金がかけられます。喫煙者には厳しい環境のようですね。
ガイドが伴うので、一人で行動することがほとんどありません。仏教国であり、優しい国民性なので比較的安全な国で、治安は良いとされています。
しかし、近代化が進む首都のティンプーでは、空き巣や置き引き、スリなどには注意が必要でしょう。
まとめ
- ブータンへの旅行、ベストシーズンは乾季でお祭りのある春!
- 目的によってブータン旅行の魅力が違っていて楽しい。
- 治安は良い国だが、外務省のHPではインドとの国境地域が危険とされている。
四季があるので、目的によってベストシーズンが違いますので、ブータンで何がしたいか旅行会社に伝えてみてくださいね。
ブータンは仏教国で人々が優しいので、治安に心配することは少ないと思いますが、最低限のマナーと振る舞いがあれば、トラブルは防げると思います。ブータンは「幸せの国」ですから、旅行へ行って良い気分をチャージして来ましょう!