日本文化

江戸小紋、知っておきたい格式が高い柄とは!万筋やコーディネートのコツ、帯合わせで粋に着こなす!

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日本の伝統衣装である着物。着物には格式があり、TPOに合わせた着こなしをしている方を見かけると「着物っていいな~」と感じます。

でも、初心者はどんな着物を選んだらいいのかわからずに呉服屋さんに勧められるがまま購入してしまいかねません。購入前にちょっと知識があれば、選択肢が広がるかも知れません。

着物を知る方ならいつかは江戸小紋!江戸小紋は格式が高いのに帯合わせによって汎用性の高い着物です。江戸小紋で人気の柄の一つ、万筋のコーディネートを紹介しましょう!

江戸小紋の三役・五役とは!万筋とコーディネート!

江戸小紋

着物は日本の伝統衣装ですが、TPOやコーディネートを間違えて捉えている方が多いかも知れません。着物にもフォーマルとカジュアルがあり、場違いなコーディネートをしていると後で恥ずかしい思いをしてしまうかも…。

着物を購入したいと考えていても、呉服屋さんに勧められるがままに購入してしまい、着ていくところがないなんてこともあり得ます。

着物初心者から上級者まで持っていたいのが江戸小紋。着ていける場面を選ばず便利で格式が高く、年代も気にしなくていいところが、私が江戸小紋をおすすめする理由です。

江戸小紋とは?

江戸小紋は名の通り、江戸の大名の間で広まった柄を指しています。大名の正装である裃(かみしも)の柄を現代の着物に落とし込んでいます。

小さな柄のことを「小紋」といいますが、小さい柄を反物全体に型染めされた着物が江戸時代の大名や武士が着用したことがきっかけで誕生したと言われています。

大名の家柄によって裃の柄を決め、小さければ小さいほど格式が高いとされています。贅沢が禁止され、倹約していた中で江戸小紋は近くに寄らなければどんな柄かがわからないところが洒落ている、と庶民の間にも流行しだしたといいます。

柄が小さければ型を作る技術も高く、1955年には小紋の型染めの職人が重要文化財保持者として認定されたとき、江戸小紋という名称が誕生しています。

江戸小紋三役

こうして広まった江戸小紋の柄ですが、江戸時代では大名の藩の格式を保つために江戸小紋の柄も制限されました。特に格式の高い藩の柄を「江戸小紋三役」といい、現代でもフォーマルとして訪問着同等に格式の高い柄とされています。

鮫小紋(さめこもん)

江戸小紋

円が重なり鱗のように見える鮫小紋は紀州の徳川藩が使用していた江戸小紋柄。兜が鮫の皮のように硬かったことから魔除けや厄除けの意味が込められているそうです。

鮫小紋よりもさらに細かい柄を「極鮫小紋」といい、格式高く高額です。

角通し(かくとおし)

江戸小紋

角通しは信濃の戸田家が使用していた柄。縦横垂直に点があしらってあり、「通し文様」「通し」とも呼ばれます。柄を縦横まっすぐに描かれている角通しは、「筋を通す」という意味が込められています。

シンプルながらスタイリッシュでどんなシーンにも着ていける角通しは人気ですね。

行儀(ぎょうぎ)

江戸小紋

斜め45度に互い違いに点が並ぶ行儀の柄は仙台藩の伊達家が使用していた柄。丁寧なお辞儀の角度と同じ方向に点が並んでいるので、礼節や秩序を重んじるという意味が込められています。

現代でいう水玉柄の行儀はなじみやすく江戸小紋の中でも定番中の定番。書かれている点の大きさが細かいとフォーマルなシーンにも着ていけますし、大きめの行儀柄なら街着に。

江戸小紋五役

江戸小紋三役に「縞」「大小霰(あられ)」を加えて江戸小紋五役と呼ばれます。この二つの柄はバリエーションが多く、細かければ細かいほど格式が高いとされています。

縞(しま)

江戸小紋

縞の中でもピンストライプのような細い縞は「万筋(まんすじ)」と呼ばれ、江戸時代中期~後期の縦縞柄の中でも流行した柄です。万筋は「まっすぐ筋を通す」という意味があります。

細い縞柄を入れるには染め上げるのに技術がいります。時間がかかるため、高価な万筋ですが、上品で着回ししやすいので人気が高い江戸小紋ですね。

大小霰(だいしょうあられ)

江戸小紋

薩摩の島津藩が使用していた霰柄。行儀のように規則正しく並んでいるのではなく、大小の点がバランスよくちりばめられている可愛らしい柄です。大小霰は「空から降る霰の様に勢いがつく様に」という意味が込められています。

江戸小紋の他の柄は?

  • 菊紋
  • お召十
  • さや型
  • 宝尽くし
  • 籠目
  • 梅鉢
  • 大根おろし

江戸小紋の柄には縁起のいい意味や願いが込められています。ユーモアがあったり柄で季節を限定されないのも江戸小紋の好きなところです。

江戸小紋は帯合わせで粋に着こなす!

江戸小紋は結婚式にも訪問着代わりに着ていくことが出来ますが、紋や帯合わせなどのコーディネートには注意が必要です。鮫小紋三役・五役に縫紋が入ったものが格式高くフォーマルになります。帯にも金糸や銀糸の入った袋帯を選びましょう。

結婚式に親族として出席する場合は、黒留袖や色留袖、未婚なら振袖が正装でマナーとなります。江戸小紋を結婚式に着ていきたい場合は友人として招かれた時に選ぶのがオススメです。

江戸小紋のように結婚式にも街着にも出来る着物もあります。たれ物であることが条件ですが、無地着物、お召着物がそれにあたります。フォーマルな帯合わせなら結婚式に着ていけますし、江戸小紋と同じように紋を入れなければが街着にも出来ます。

無地着物は織柄があってもなくても1色で染められたたれ物のこと。たれ物は後染めで反物を織ってから染められたもののことを指します。反物が柔らかく垂れることから「たれ物」と呼ばれています。

お召着物は地柄が織られてあり、後染めではあるものの、たれ物に分類されることが多く、「将軍がお召しになられた」ことから「お召着物」と呼ばれるようになりました。お召着物も江戸小紋同様、格式が高い着物として扱われます。

帯合わせ、押さえておきたいポイント!

  1. 袋帯…フォーマルには名古屋帯は避けた方が無難です。
  2. 和紙で金銀をあしらってあるもの…和紙だと控えめ。街着にもOKです。
  3. 全通…無地部分がないので帯を締めやすく、逆からも着付けできます。
  4. リバーシブル…表は華やか、裏は控えめな帯で様々なシーンに対応できます。

帯も格式が高いと高額なものが多いのですが、フォーマルでもカジュアルでも夏も冬も裏も表も使える袋帯を選ぶと間違いないでしょう。

江戸小紋だとどんな柄でも帯合わせが楽ですし、オシャレに見せてくれます。結婚式には華やかでお祝いに相応しい帯の柄を選んで、着物を楽しみたいですね!

まとめ

  • 江戸小紋の格式が高いのは「鮫小紋」「角通し」「行儀」の三役!
  • 江戸小紋の三役に「大小あられ」、万筋などの「縞」が加わると五役!
  • 江戸小紋のコーディネートは帯合わせで印象が変わる!

私が持っている江戸小紋は「お召十」という点と十が互い違いに並んでいる柄。呉服屋さんでこの江戸小紋を見つけて購入したのですが、着回しの広さと帯合わせのコーディネートの合わせやすさでとても気に入っています。

着物を始めたい方、江戸小紋は好きな柄を選んで楽しみましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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